貧民街での幼稚園運営 サンアントニオ地区
人も近寄らない、あらゆる犯罪と事件が渦巻き、雨が降れば流れる事のない溝が溢れ、危険で子供達は外に出ることも出来ない貧民街。フィリピンでも最も子沢山な、そして貧しさの極みの貧民街。フィリピンでは、小学校でも落第制度があり、小学校入学前に充分な教育を受けていなければ、多くの子供は小学校へも行く事は出来ません。
私達は、貧しさの故に幼稚園へ行くことの出来ない子供達に、日本人の運営する優秀な幼稚園として、ほぼ無料に近い形で幼稚園を運営しております。小学校に進めるように、発音、読み書き、計算、色、形等を幼稚園で教え、全員小学校へ進めるようにしています。文盲に近い貧困街の家庭は、この幼稚園を地域の誇りとして受け止めております。
入園条件は、低所得者の家庭で無ければ入園できません。街の幼稚園へ経済的に入園できない家庭の子供だけの幼稚園です。
サンアントニオ地区
現地責任者
香嶋 愛さん(左)奈良県御所市出身
1996年より孤児院のボランティアとしてフィリピンへ。
2001年10月スタート。香嶋 愛さんが最初から関わりました。
ご主人のエストーマさん(右)
中村の素晴らしいパートナー
このお二人が現地の活動力です。
■経過報告
沖縄大学の一人の教授は、サンアントニオ地区の子供達が、小さい時から、シンナーや薬に手を出し、学校へも行けないこの地区の子供達の、幼児期の教育の大切さを痛感し、しかも、この地区において、幼稚園の数の極端に不足している現実から、この地区に幼稚園設立して下さった。しかし、先生の研究上ここでの継続が困難となり、深い関わりのある私達へ、この窮状が訴えられてきました。
私達は、2007年より、この幼稚園の必要経費の責任を持つようになりました。
◆サンアントニオ地区の紹介
路は狭く、暗い所の路が多く、すぐに蚊で全身が覆われる
◆家も暗く、極端に狭いところに7~10人位が住んでいる
仕事が無いために昼間でも父親は家にいます。
◆路を歩けば、すぐに子供達が近づいて来ます。
◆洗濯の風景
◆一日中、水汲みに行く子供
◆政府発行のお米の整理券を朝早くから並ぶ主婦たち
◆サンアントニオの幼稚園の紹介
◆サンアントニオの幼稚園の紹介 年少組
◆サンアントニオの幼稚園の紹介 年長組
◆幼稚園でのおやつのお粥。食事のパンと野菜
◆不法地帯に住む園児達の家々
ここは大きなため池です。そこに不法に建てられた何十軒もの家々
南国の激しい降雨の度に家は冠水します。それでも、貧しい人々はここに家を建てて住んでおり非常に危険です。
また、何度も豪雨の被害が発生します。
女の子の足下では、別な女の子が入り口を机代わりにして、勉強をしておりました。(写真右)
こちらは海の上に建てられた不法住宅です。
足下の通路の板は所々海水で腐敗し、私の足は何度も海に落ちそうになりました。
嵐や台風の度に大変危険な不法住宅です。
心が痛みます。畳3畳位のこの家に、5人が生活しております。
この家から、私達の幼稚園に子供は通園しております。
昨年(2009年)は、世界経済の不況で、子供達が規定の人数を超えてやってきました。
本来この幼稚園は65人位でしたが、昨年(2009年)は93人となりました。
幼稚園では、少しの食べ物が提供されます。この食べ物が少ないけれど、子供達の大切な食べ物となっております。